犬のてんかん発作は突然起こるため、飼い主さんは戸惑うことが多いでしょう。本記事では、発作中の対処法と、やってはいけないことを詳しく解説します。正しい知識を持つことで、愛犬を守り、獣医師の診療をよりスムーズに進めることができます。
犬のてんかん発作とは
犬のてんかんは脳の神経細胞の異常な放電によって起こる神経疾患です。突然の意識喪失、けいれん、よだれ、排尿・排便などが見られます。てんかん発作は予測が難しく、日中にも夜間にも発生する可能性があります。
犬のてんかんには「一次性てんかん(原因不明)」と「二次性てんかん(脳腫瘍や外傷など原因がある)」の2つのタイプがあります。どちらにせよ、正確な診断と治療が重要です。
発作の症状と段階
てんかん発作には前兆となる「前駆期」、実際に発作が起こる「発作期」、その後の「後駆期」という3つの段階があります。
| 段階 | 症状 |
| 前駆期 | そわそわ、隠れようとする、飼い主に甘える、うろうろと歩き回る |
| 発作期 | 意識喪失、全身けいれん、よだれ、排尿・排便、眼球の動き |
| 後駆期 | 混乱、一時的な視覚障害、疲労感、食欲不振(数時間~数日続く場合もある) |
発作中にやるべき対処法
安全な環境を整える
発作が始まったら、まず周囲の危険物を取り除きます。犬が家具や階段で怪我をしないよう、柔らかいクッションやタオルで囲みましょう。ただし、犬に触れすぎないことが大切です。
発作の経過を記録する
発作の開始時刻、継続時間、症状の詳細をメモしておきます。動画に撮影することも獣医師の診断に役立ちます。発作の頻度や長さは治療方針の決定に重要な情報となります。
発作後の様子を観察する
発作が終わった後も、犬は混乱や疲労を感じています。静かな暗い場所で休ませ、水を与えて落ち着かせましょう。後駆期の行動異常も含めて、様子を見守ることが大切です。
発作中にやってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
| 口に物を入れる | 窒息やケガのリスクがあります。犬は発作時に舌を噛みますが、これは自然なことです |
| 強く抱きしめる | 犬がさらにパニックになり、飼い主も噛まれるリスクがあります |
| 冷たい水をかける | ストレスが増加し、発作が悪化する可能性があります |
| 無理に動かす | けいれんで筋肉が硬くなっているため、骨折のリスクがあります |
| すぐに病院へ連れていく | 発作は通常5分以内に自然に収まります。短時間の発作なら動物病院の連絡後に移動しましょう |
すぐに獣医師に相談すべき場合
以下のケースは緊急対応が必要です。
- 発作が5分以上続く(重積状態)
- 短時間に複数回の発作が起こる
- 初めてのてんかん発作
- 発作の症状や頻度が変わった
- 発作後も意識が戻らない
これらの場合は、躊躇わず動物病院や緊急対応可能な施設に連絡してください。
てんかん管理に役立つアイテム
犬のてんかん管理には、以下のようなアイテムが役立ちます。
発作の頻度や内容を記録するノートは、獣医師への情報提供に非常に有効です。デジタル管理なら、スマートフォンのメモアプリやヘルスケアアプリを活用することもできます。
発作に備えて、柔らかいクッションやペットベッドを用意しておくと、発作時の安全確保に役立ちます。
発作中に逃げ出してしまう犬もいるため、GPS機能付き首輪があると万が一の時に安心です。
よくある質問(FAQ)
Q1:発作中に犬が舌を噛むのを防ぐ方法はありますか?
A:舌を噛むことは発作の自然な現象であり、完全に防ぐことはできません。むしろ、口に物を入れようとすると飼い主が噛まれたり、犬が窒息するリスクが高まるため、何もしない方が安全です。
Q2:てんかん発作は遺伝しますか?
A:一次性てんかんは遺伝的な要因が強いとされています。てんかん体質の犬は、繁殖に慎重になるべきです。確実な診断には獣医師への相談が必要です。
Q3:てんかんの薬を飲み始めたら、一生飲み続けるのですか?
A:多くの場合、一生の投薬が必要です。ただし、獣医師の判断により、発作が長期間起こらない場合に減薬を試みることもあります。自己判断での中止は危険ですので、必ず獣医師に相談してください。
Q4:発作中に犬を抱っこしてはいけませんか?
A:発作中の抱っこは避けるべきです。犬がけいれんしている最中に動かされるとストレスが増加し、また飼い主が噛まれるリスクもあります。発作が終わった後にそっと抱きしめて落ち着かせるのが正しい対応です。
Q5:複数回の発作が短時間に起こった場合、どう対応しますか?
A:短時間に複数回発作が起こる場合は「クラスタリング」と呼ばれ、緊急の対応が必要です。すぐに動物病院に電話し、獣医師の指示を仰いでください。場合によっては、頓用薬(発作時に使う薬)の投与が必要になります。
※症状が続く場合は必ず獣医師にご相談ください。本記事は一般的な情報であり、医学的なアドバイスではありません。


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